Q&A
毛髪・パーマのQ&A集
- パーマ剤の成分など
- 中間水洗・酸リンス
- 2剤について
- その他のパーマ関連
- 事故・損傷の予防など
- 毛髪に関する事項
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Q1
「ゆるいウェーブにしたいから弱い薬でお願いね」と注文されたのに、先輩はいつもの薬でかけています。せめて水で薄めれば良心的なのに…と思うのですが。
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A1
ゆるいウェーブ(ウェーブが大きい)を形成する場合、ウェーブ効率の低い薬剤を用いて行なう場合と、髪質に合った薬液を用いて太めのロッドでワインディングを行なう場合があります。どちらで行なうか、そのときの髪質と薬液の関係、毛髪の量等によって決めます。ウェーブ効率の低いパーマ剤を用いた場合、髪質より弱い薬剤になりますので、毛髪へのダメージはそれほど心配ありませんが、かかりにくいということを念頭において、慎重にていねいに行ってください。また、太めのロッドで大きなウェーブを作るときは、ロッドの限界に注意したうえ、毛髪の長さも計算してワインディングしてください。なお、パーマ剤を水で薄めることは絶対にしないでください。思わぬ事故を引き起こすこともあります。
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Q2
細くて柔らかい毛髪は、かかりやすくて落ちやすいように感じます。持ちをよくするために、強い薬剤を使おうか、ロッドを細くしようか、迷っています。
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A2
細くて柔らかい毛髪だからといって、パーマがかかり易いとは限りません。たとえば、一般に日本人の毛髪は太くて硬く、欧米人の毛髪は細くて軟らかいと言われています。日本人の毛髪の方がパーマがかかりにくいように思えますが、実際は、欧米人の毛髪の方がかかりにくいのです。これはキューティクルの間隔が、欧米人の毛髪の方が密になっているために薬剤の浸透が悪く、作用されにくいためです。また、猫毛と呼ばれる軟毛の方は、シスチン量が少ない傾向にあるため、一見かかったように見えても、ウェーブを保持することが出来ず持ちが悪い傾向にあります。いずれにしてもウェーブ効率の高い薬剤や細いロッドを使用するのではなく、毛髪診断をしっかり行い、髪質・ダメージに適した薬剤で施術してください。また、2剤処理を確実に行いしっかり酸化することも、ウェーブの持ちに重要です。
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Q3
根元にしっかり立ち上がりをつけ、毛先はゆるいウェーブが欲しいというとき、何に注意したらよいでしょうか。
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A3
先ず、立ち上がりを得るためには、根元部分にもパーマ剤を効果的に作用させる必要があることから、薬剤は根元部分のダメージ度に合わせて選択する必要があります。ここで、一般的に毛先は根元よりもダメージが進んでいるため、毛先への薬剤の作用が強くなり過ぎるため、毛先部分をプレ処理することにより、薬剤の作用を抑えることが必要です。そして、ロッドは毛先のゆるいウェーブに合わせて太めのものを選定し、通常よりもアップステムに巻くことで立ち上がりが得られるようになります。
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Q4
ストレートパーマをずっと続けていた方が、イメージチェンジのため、強いウェーブを望まれた場合、損傷予防にはどういう注意が必要でしょうか。
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A4
ストレートパーマをしていたからといって、毛髪が必ずしも傷んでいるとは限りません。しかし、その他の要素で毛髪が傷んでいる場合がありますので、毛髪診断には細心の注意を払ってください。お客さまの希望のウェーブに耐えられるかを判断し、ワインディングに注意しながら施術してください。必要ならば、プレ処理剤で保護してから操作に入ります。
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Q5
強いパーマを気に入って帰られた翌日、職場で注意されたから、すぐゆるいパーマにかけ直して欲しい、という注文です。かけた直後なので、できるだけ負担の少ない方法をとりたいのですが、どうしたらよいでしょうか。
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A5
まずお客様の頭皮の状態を観察してください。パーマ処理したばかりでは、頭皮もややデリケートになっています。特に肌の弱い方には、適切な頭皮の保護が必要です。毛髪の状態も十分観察し、プレ処理やアフタートリートメントが必要であれば処置し、薬剤もウェーブ効率の低めのタイプを選択し、操作や放置タイムも慎重に行うことが大切です。
(図:パーマネントウェーブの処理回数と破断強度<1日おきに3回パーマ処理を行った実験データ>)
(サイエンスオブウェーブより抜粋)
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Q6
コールド式のパーマ剤を加温すると早くかかると教わりましたので、試してみたいと思いますが、どうして早くかかるのですか。
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A6
確かに早く、そして強くかかりますが、毛髪の損傷を引き起こしてしまいますので、コールド式パーマ剤を加温して用いてはいけません。パーマ剤の強さは、1剤の有効成分の種類と量、pH、アルカリ度、添加剤などの他に施術温度に大きく影響を受けます。つまり、パーマ剤は毛髪と薬剤との化学反応を利用して施術を行うものですから、この化学反応が強く、そして早く行われれば強いパーマ剤となり、得られる効果も高くなるのです。化学反応は、一般的に温度の影響を大きく受け、温度が10℃上昇すると、反応速度は2倍の早さになるといわれています。ですから、コールド式のパーマ剤を加温すると、この化学反応が早くなります。同時に、毛髪の膨潤度も温度の上昇と共に増加しますので、この2つが高まり、パーマ剤の作用が強くなるのです。しかし、パーマ剤の作用が強くなるということは、毛髪に対する影響も大きくなることですので、本来はコールド式で十分な効果と安全性を持つパーマ剤でも、加温操作を行うことにより、過剰作用(オーバータイム、過膨潤など)が毛髪に起こるため、毛髪の損傷(断毛や毛先の変色など)を引き起こしてしまいます。ですから、パーマ剤は決められた用法・用量を守る必要があり、コールド式パーマ剤の加温操作は絶対に行ってはいけないのです。
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Q7
「アンモニアが揮発するのを防ぐため、キャップをする」と教えられました。ということは、ノンアンモニアタイプのパーマ剤の場合はキャップはいらないのですね。
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A7
キャップをする目的は次の4つのことが挙げられます。
1.保温:パーマ剤の作用を高めるために使用します。キャップ内の温度が体温近くまで上昇することで1剤が有効的に作用します。
2.薬剤の乾燥防止:パーマ剤に限らず、薬剤の浸透は毛髪が濡れている状態の方が良くなります。また毛髪に塗布した1剤が乾燥すると、有効成分濃度にムラが出来るため、パーマ剤の効果が不均一となる原因を引き起こします。
3.アルカリ剤(アンモニアなど)の揮散防止:アルカリ剤は揮発しやすく、1剤中から徐々に揮散してしまいます。アルカリ度やpHを調整する役割を持つことから、それらを一定に保つことで1剤の効果を維持します。
4.空気酸化防止:1剤中の有効成分であるチオグリコール酸やシステインは空気により酸化される性質を持っています。酸化を受けることで有効成分濃度の低下及び効力の低下を引き起こします。
いずれもパーマ剤1剤の作用を十分に行い、効果を発揮させるために、キャップは使用されます。
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Q8
パーマがかかりにくいため、1剤タイムを長くとって二度づけしました。その場合、当然2剤も1剤タイムに比例して長めにとるのでしょうか。また、1剤タイムが短ければ、2剤も早目に流してよいのでしょうか。
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A8
1剤タイムの長短に関わらず、2剤タイムは、用法に定められた時間をとってください。2剤の有効成分(臭素酸塩、過酸化水素)によって標準的な2剤タイムは異なりますが、標準タイムより短すぎる場合は、ウェーブの定着が悪くなったり、逆に長く放置しすぎた場合は、感触への影響がでてくることがあります。2剤処理は、毛髪損傷防止やウェーブの定着という目的からも大切な工程となりますので、軽視してはいけません。また、1剤のオーバータイムや中間水洗が不十分な場合も毛髪損傷やウェーブ定着に影響を与えることがありますので、製品ごとに定められた用法に従って使用することが大切です。
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Q9
毛髪の量が多くて長いほど、反応時間は長くとった方がよいのではないか、と思うのですが、どうなのでしょう。
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A9
毛髪の量の多少と反応時間にはあまり関係がありません。毛髪の量が多い場合は、量(長さ)に応じてパーマ剤の量を多くして、毛髪全体に必要な量のパーマ剤が塗布されるように使用してください。逆に毛髪の量が少ない場合は必要なパーマ剤の量も少なくなります。反応時間とは、毛髪と薬剤が正しく反応するために必要な時間です。パーマ剤の特性と髪質によって設定されるものであり、毛髪の量で調節するものではありません。 ただし、本来は定められた用量を守る必要があります。
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Q10
私の店では1剤タイムはタイマーで計り、担当技術者が自分でテストカールをして、とても敏感ですが、2剤はアシスタントまかせです。アシスタントによって判断はまちまちで、混んでいるときやお客さまが急いでいるときは5~6分であげたり、忙しいと30分くらいそのまま放置することもあります。これでいいのでしょうか。
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A10
2剤タイムも、用いる薬剤の用法・用量に従って、正しく行ってください。一般的に臭素酸塩を用いた2剤タイムは10~15分ぐらいの反応時間を必要とします。ですから、急いでいるからといって5~6分で終わらせてしまうと、酸化固定が不足となりウェーブがとれやすく、また、毛髪を傷める原因となります。逆に長く放置し過ぎると、酸化剤の影響により、毛髪を脱色し、損傷を与えます。2剤処理をあまり重要視せず軽く扱いがちな例が見られますが、ウェーブを形成するには、なくてはならないものです。なお、2剤は一度に全量をつけないで二度に分けて塗布するとさらに効果が高まります。
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Q11
1剤タイムは「10分」と教わったので、だいたいそれでやっていますが、ゆるめのパーマなら7~8分、強めのパーマにしたいときは12~13分、と加減してもよいのでしょうか。また、強い薬も弱い薬も1剤タイムが同じ10分間なのは、どうしてですか。
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A11
パーマの強弱を、1剤タイムの長短で調節することは、ウェーブ形成理論からはずれています。ウェーブの強弱とはウェーブの大小を指していると思われますが、これは用いるパーマ剤のウェーブ効率およびロッドの径によって決まります。ウェーブ効率の高い薬剤ほど、用いるロッドの径に近いウェーブが形成され、また、ロッドの径が小さいものを用いるほど、細かいウェーブが得られ、強くかかることになります。1剤タイムをコントロールすると、早すぎた場合は反応不十分となるおそれがあり、求めるウェーブが得られなかったりウェーブがとれやすくなります。逆に長すぎるとオーバータイムとなり、毛髪を傷めます。反応時間はこうした意味からとても大切です。製品の用法・用量をよく読んで正しく使用してください。強い薬でも弱い薬でも一般的に1剤タイムは10分ですが、これは、化学反応には、反応が進むとそれ以上進まなくなるという現象があるためです。これを化学平衡と呼んでいますが、1剤のチオグリコール酸と毛髪中のシスチンの反応は、ある程度進むとそれ以上反応しない化学平衡の状態になります。この時間が約10分(1剤タイム)というわけです。ですから、長く放置するほど強くなることはありません。むしろ、副反応を起こし、毛髪の損傷の原因となります。
(図:1剤処理時間にともなうウェーブ効率の変化)
(サイエンスオブウェーブより抜粋)
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Q12
サロンでは、どのようなタイプのパーマ剤を用意しておけばいいものでしょうか。
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A12
一般的に、標準時間(通常10~20分)で、適度なウェーブを形成するように、髪質に応じてパーマ剤は調製されています。一般的に、かかりにくい毛髪用のパーマ剤1剤は、チオグリコール酸などの還元剤の濃度が高くpHも高めに設定されています。一方、ダメージ毛などのかかりやすい毛髪用のパーマ剤1剤は、還元剤の濃度が低くpHも低めに設定されている場合が多いと考えられます。これは、パーマ剤の効力が有効成分の量やpHに大きく左右されることによります。過度のヘアカラーやブリーチ処理で毛髪が傷んでいる方には、毛髪への作用が比較的穏やかなシステインを有効成分とするパーマ剤や化粧品のヘアセット料が多用されているようです。パーマ剤には、室温で使用するコールド式と、60℃以下に加温する加温式がありますが、加温式は、加温することで適度な効力を発揮するように設計されており、一般的にコールド式よりも薬剤の効力は低く設定されています。また、縮毛矯正剤の場合は、毛髪を伸ばしておくために適度な粘性が付与されています。最近は、高温整髪用アイロンを使用する縮毛矯正剤の需要が増えましたので、それに対応する縮毛矯正剤も用意されるとよいでしょう。このように種々のタイプのパーマ剤がありますが、単に数を増やすのではなく、様々な髪質とヘアスタイルに応じられるようにパーマ剤は選定し揃えておく必要があります。
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Q13
コールド式は室温で施術となっていますが、2剤も加温してはいけないのでしょうか。酸化が早くすすんでいいと思うのですが。
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A13
化学反応は温度の影響を強く受けます。2剤と毛髪の反応も、温度が高い方が酸化促進されます。しかし、室温でも十分な酸化力を持ち、加温して用いると過剰酸化を引き起こし、毛髪損傷の原因になってしまいます。なお、2剤の塗布にあたっては、毛髪と2剤との接触機会を多くした方が効果的です。2~3回に分けて塗布することで、シスチンの復元率が高くなり、ほぼ完全な酸化が行われます。
(図:2剤塗布によるシスチン結合回復の様子)
(サイエンスオブウェーブより抜粋)
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Q14
「オーバータイムをしないように」とよく言われますが、オーバータイムをすると、毛髪はいったいどんな状態になってしまうのですか。
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A14
オーバータイムとは、1剤タイムを長く置き過ぎたことで起こる毛髪への過剰反応のことです。毛髪はオーバータイムすると、キューティクルにシワができたり、剥離しやすくなったりするため、手触りが悪く、艶がない毛髪になってしまいます。毛髪自体の強度や弾力も低下するなど、ダメージの原因になったり、ウェーブの持ちが悪くなったりもします。
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Q15
テストカールで、ロッドをはずす位置は決まっているのですか。どの部分でみればよいのか、ポイントを教えてください。
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A15
テストカールは、1剤がどの程度毛髪に作用しているかを調べる目的で行うものです。パーマ剤1剤による還元反応で、毛髪が軟化した状態を視覚的、感触的に判断します。毛髪はすべてが同じ条件で生えているわけではないので、場所によってかかり具合が異なります。従って、かかりやすいところ(毛量の少ないフェースラインなど)と、かかりにくいところ(毛量の多いところやバックなど)の数か所で、テストカールをする必要があります。テストは、一番かかりやすい部分や損傷部分に、特に注意を払います。また、デザインとして意図的にボリュームや方向性を求めたり、逆に抑えたいところがあれば、その部分も確認のためにテストをしておく必要があります。長い毛髪の場合は、毛先のカールがC状になっていることを確認してください。
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Q16
ジチオジクリコール酸の配合されたパーマ剤なら、オーバータイムの心配はないのでしょうか。
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A16
ジチオジグリコール酸(DTDG)が配合された薬剤の髪への反応速度は、始めは時間経過とともに比例的に反応しますが、それ以降はDTDGの働きで薬剤の反応は緩やかになります。これがDTDGの反応調整剤としての役割です。ただし、この反応調整剤配合の製品であっても、毛髪の状態に合わせた薬剤の選定を無視すると、毛髪の状態によってはダメージにつながる場合があります。また、DTDGが配合されている1剤であっても、その配合量やチオグリコール酸との関係から、その強さには各製品間でそれぞれ違いがあります。ご使用になる前に、現在お使いの薬剤を指標にして、確認されるとよいでしょう。
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Q17
私の店では使っているパーマ剤1剤のpH、有効成分量(チオ、シス濃度)、アルカリ度をメーカーに確認しています。でも、それぞれの数値の持つ意味がよくわかりません。
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A17
pHは、水溶液がアルカリ性/中性/酸性のいずれであるかを数値で表したものです。7が中性で、数値が大きいほどアルカリ性、小さいほど酸性です。有効成分量は、チオグリコール酸やシステインといった還元剤の濃度を表しています。値が大きいほど還元剤量が多いことになりますが、還元剤の種類が異なると単純比較はできません。アルカリ度は、パーマ剤に含まれるアルカリ剤の総量を中和するのに必要な塩酸量を表したもので、使用されるアルカリ剤の種類と量で変化します。 ただし、パーマ剤の強弱は、有効成分の種類・量、pH、アルカリ度、添加剤などの要因の総合的なバランスによって決まるものですから、一概に還元剤濃度やpHの高低だけで判断するのは間違いのもとです。数値にこだわるのではなく、事前にパーマ剤の強さをテストして確認しておくことが大切です。
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Q18
pHって何ですか。pHが1違うとどうなるのですか。
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A18
pH(ドイツ語読みでペーハー、英語読みでピーエイチ)とは、水溶液に存在する水素イオン(H+)と水酸イオン(OH-)の濃度比を1から14までの数字で示したもので、7を中性と呼び、それよりも小さな数字の場合を酸性、大きな数字の場合をアルカリ性と呼びます。pHが1違うということは水溶液中の水素イオン濃度が一桁違うことを示し、例えばpH6とpH7の場合ではpH6のほうがpH7よりも10倍水素イオンの濃度比が高いことになります。ここで、pHはイオンの濃度比を示すものですから、同じpHでも用いたpH調整剤の種類や量の違いまで表すものではありません。例えば、石けんのpHは約10ですが、石けんは肌への影響も少なく安全なものの代表としてよく取り扱われます。つまり、pHの高低だけでその製品の強弱や安全性等を決めつけることは間違いのもとです。
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Q1
中間リンスと酸リンス、どちらが効果的ですか。
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A1
中間水洗の目的は、毛髪及び頭皮に残留した1剤(主に還元剤)を洗い流し、2剤の酸化反応を安全に、かつ効率よく行うために実施します。 中間水洗は、使用上の注意にも記載されているとおり、必ず行わなければならないものです。なぜならば、還元剤が毛髪に残留しているところに2剤を塗布すると酸化還元反応が起こり、2剤の酸化剤がこの反応に消費され、十分な酸化が行われなくなります。頭皮上に残存していた場合は、頭皮上で酸化還元反応が起こり、皮膚障害等の懸念も発生します(酸化還元反応は発熱反応のため頭皮にやけどを負うことがある)。そのため中間水洗は必ず行わなければならないのです。 一方、中間酸リンスには、1剤のアルカリを中和し除去する働きがあり、ダメージ予防の観点からは行った方が良いと考えられますが、個別に許可された製品に限って使用できます。 どちらが効果的というよりも双方役割が異なるので、それぞれで使い分ける必要があります。なお、中間水洗は必須ですので、この点を間違えることなく施術してください。
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Q1
1剤のアルカリを中和するためなら、2剤は酸性ならと思います。どうして中性の2剤もあるのですか。
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A1
2剤を使用する目的は1剤で切断(還元)したシスチン結合を再結合(酸化)することで、中和とは異なります。美容室では2剤の作用を「中和」という場合もありますが、これは本来の意味からすると間違いです。「中和」とは、酸とアルカリが働き合ってそのどちらの性質も示さないようになることをいいます。パーマ剤2剤の作用は、1剤で還元切断されたシスチン結合を再結合することにあり、正しくは「酸化作用」といいます。2剤には酸性の過酸化水素水を用いたものと中性の臭素酸塩類を用いたものがあります。臭素酸塩2剤の酸化作用は酸性のほうが強いのですが、臭素酸塩は強酸性の状態では比較的速やかに分解する性質を持ち、液の安定性の問題から臭素酸塩2剤のpHは中性付近に調整されています。
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Q2
テストカールでかかり過ぎだった場合、2剤処理の途中でロッドアウトしてから、さらに2剤を塗布して、酸化をしっかり行えば大丈夫でしょうか。
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A2
かかり過ぎの程度にもよりますが、ロッドアウトした状態では、ロッドによるテンションが除かれた分、ウェーブの表情が柔らかくなる程度です。場合によっては、軽くコーミングして放置した方が、ただロッドアウトして放置したものより、ゆるいウェーブが得られます。ただ、強いコーミングは毛髪を傷めますので注意が必要です。いずれにしても2剤タイムは、きっちり守ることが大切で、ウェーブダウンや毛髪の損傷を防止することにもつながります。
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Q3
過酸化水素水を用いた2剤と臭素酸塩を用いた2剤の、各々の特徴と使うときの注意点は何ですか。
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A3
パーマ剤の2剤には過酸化水素水を用いたものと臭素酸塩を用いたものがあります。この2つの大きな違いは酸化力の違いにあります。 過酸化水素水を用いたものは強い酸化力を持つため、酸化反応が早く短い2剤タイムで済むという利点があります。しかし、2剤タイムが長くなりすぎると酸化が進みすぎてしまい、毛髪損傷を引き起こす可能性が高いという欠点があります。また中間水洗が不十分であると、発熱や刺激、退色等を引き起こす可能性がありますので、十分な中間水洗が重要です。 これに比べ臭素酸塩を用いたものは過酸化水素水を用いたものほど強い酸化力は持ちませんので、用法・用量に従い必要十分な2剤タイムをとる必要があります。 各々の仕上がりの特徴は過酸化水素水を用いたものがしなやかな仕上がり、臭素酸塩を用いたものでは引き締まった仕上がりが得られます。では、この2つを混合すると双方の長所が引き出せるかというとそうではありません。過酸化水素により臭素酸塩が分解し、有毒ガスを発生し、大変危険です。 使用上の注意を良く読み、正しく使用すれば、どちらも本来の効果と十分な仕上がりが得られます
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Q1
海外旅行から真っ黒に日焼けして帰ってきたお客様に対して、パーマをかける際に、いつもと同じでよいでしょうか。
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A1
皮膚も毛髪も強い紫外線で日焼けが起こり、毛髪中のタンパク質が変性し、傷むことが分っています。お客様がどういう状況で日焼けをしたかヒアリングしながら、普段よりも念入りな毛髪診断を行い損傷度を確認すると同時に、頭皮の状態もよく観察して、慎重に施術をしてください。
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Q2
きれいにかかったと思ったのに、2~3日後、もうとれたというクレームがありました。すぐとれる原因は何でしょう?また、この場合のかけ直しの注意点を教えてください。
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A2
ウェーブがすぐとれる主な原因として、次の3つが考えられます。
1.軟毛や元の毛髪のダメージが大きかった場合-パーマ剤が作用するべきシスチン量が少なかったため薬剤が十分働かなかった。
2.2剤の処理が不十分な場合-量の不足、時間の不足などで酸化がしっかり行われていなかった
3.使用したパーマ剤が古かった場合-パーマ剤は、開栓後の使用期間があまり長期間にわたると、薬剤の効力が落ちてしまっている場合があります
かけ直しの注意点としては、原因が1と考えられる場合は、毛髪診断を十分に行って適切な薬剤を選定することが大切です。2、3と考えられる場合は、施術操作と使用する薬剤の見直しを行ってください。なお、かけ直しの際には、お客様の頭皮の状態に十分注意してください。前回のパーマ直後では、まだ頭皮が過敏になっていて皮膚トラブルを起こす場合があるからです。
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Q3
毛髪の等電点はpH4.5~5.5とそのまま覚えてしまいましたが、等電点というのは、どうやって決まるのでしょうか。
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A3
酸と塩基の性質を持つ両性物質は、水溶液中で酸として作用したり、アルカリとして作用したりしますが、酸とアルカリの力が等しくなるときがあります。その時のpHを等電点といいます。両性物質には、アミノ酸やタンパク質等があり、タンパク質である毛髪の等電点は4.5~5.5の範囲で、毛髪タンパク質の塩結合がもっとも強い結合力を発揮し、安定した状態であると言われています。毛髪を丈夫に保持するには、毛髪を等電点に保持しておくことが大切です。なお、毛髪の等電点が弱酸性側にあるのは、毛髪ケラチン中の酸性アミノ酸に由来する酸性側鎖が、塩基性アミノ酸に由来する塩基性側鎖の約2倍の数があるためです。
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Q4
髪の毛の寝ぐせを直すのに水で濡らすことがありますが、このことと、ウールのズボンを湿らせてアイロンでシワをのばすこと、また、ほぐした毛糸に湯気をあててまっすぐにすること、などと理屈はみな同じと聞きました。本当でしょうか。
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A4
一見、まったく違う現象に思えますが、その三者の理屈はみな同じです。まず、毛髪と羊毛の構造と化学的性質が非常に似ています。つまり、ケラチンを構成しているポリペプチド鎖を結びつける側鎖(シスチン結合、塩結合、水素結合)のうち水素結合は、水で容易に切断され、乾燥することで再結合する性質を持っています。寝ぐせは、期せずしてできた”セット”と思えばよいでしょう。水(お湯の方がより効果的で早い)で濡らすことで、水素結合が切断されることにより、容易に、この”寝ぐせセット”は取れます。ズボンに水分を与えて繊維の水素結合を切断し、アイロンで固定(乾燥)することで”セット”されたということになりますし、セーターなどをほどいたばかりの毛糸に湯気を与えてほぐすことは、”セットがとれた”と考えればよいわけです。
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Q1
パーマをかけたら毛が抜けたとのクレームを受けました。パーマ剤ってそんなに強い薬なのですか。
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A1
パーマ剤が直接的な原因で異常脱毛を起こすことはありません。しかし、体内的因子による円形脱毛症、脂漏性脱毛症などの症状が、パーマ剤を使用した時期と重なって生じたためにパーマ剤が原因ではないかとされる例がしばしばあります。パーマ施術時に毛髪を引っ張りすぎたためにパーマ剤が毛孔に侵入して毛球部の一部から切れて抜けたという例が稀に報告されています。これは一見脱毛と見えるものの「脱毛」というより「断毛」と位置づけられます。この場合、毛球部は、健在なので、時間が経てばまた生えてきます。通常のパーマ施術で毛球部が火傷の場合のような破壊を起こし、「脱毛」を起こしてしまうような、強い薬ではありません。
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Q2
パーマをかけると、額が赤くなる方がいます。予防法を教えてください。
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A2
パーマ剤によって皮膚が赤くなったり炎症を起こしたりするのは、一般的には接触性皮膚炎と考えられます。ほとんどのパーマ剤は、アンモニアやエタノールアミンなどのアルカリ剤と、チオグリコール酸やシステインなどの還元剤を含み、pHはアルカリ性になっています。皮膚には、アルカリ剤が付着しても、これを中和する働き(アルカリ中和能)がありますが、肌の弱い人はこの働きが弱く、刺激を受けやすくなっています。
予防法としては、皮膚に直接パーマ剤が接触しないよう、注意することが大切です。
1.パーマ前のシャンプーは、脱脂力が弱く、刺激の少ないタイプを選び、頭皮を傷つけないように洗う。
2.保護クリームを、薬液が付着しやすい場所に塗布する。
3.施術中は、タオルにパーマ剤がたまりやすいので、まめにタオルをとりかえる。
以上の様な対策を行ってください。
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Q3
生理のときや妊娠中には、パーマ施術をしない方がよい、と言われています。なぜでしょうか。体によくないのでしょうか。
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A3
生理時や妊娠中は、身体の抵抗力が低下していたり、ホルモンのバランスがくずれたりしているケースが多く、外部の刺激に対して皮膚や身体が過敏な状態になっています。このような状態のときには、普段は何ともなくても、激しい皮膚障害を起こしたり、症状が悪化することがあります。また、妊娠中は特に、皮膚障害が起こった際の治療にも制約がかかることとなり、治療しにくく完治までに時間がかかる等の問題も考えられます。このようなことから、生理時、生理日の前後および産前産後の方は、パーマを使用しないようにしてください。
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Q4
うちの店では頭皮マッサージが好評です。パーマ直後にも、より快適、より効果的な頭皮ケアをしたいと思いますが、注意する点を教えてください。
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A4
パーマ直後の毛髪および頭皮は、正常な状態(等電点)には完全にはもどっていません。また、縮毛矯正の場合は、施術中の無理なコーミング操作により、毛髪に対する負担が大きく、ダメージを受けやすくなっています。パーマや縮毛矯正の直後は、頭皮も薬剤の影響で、過敏になっていますので、適切なスキャルプトリートメントなどを行いケアすることは必要です。ただし、マッサージなどを行う場合は、外部からの物理的刺激を過度に与えないよう、注意する必要があります。
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Q5
コート剤を使っている人が増えました。コート剤を使っている毛髪にパーマをかける際の注意点を教えてください。
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A5
コート剤には、毛髪上に撥水性の膜を形成するものもあります。パーマ剤の浸透が妨げられ、作用しにくくなる場合もありますので、プレシャンプーで可能な限りコート剤を除去するようにしてください。ただし毛髪診断では、一見したところ撥水性であるかどうか、判別しにくい場合もありますので注意が必要です。
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Q5
表示指定成分は悪いものだから、入っていない製品を選ぶように教わりました。表示指定成分とは何ですか。
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A5
まれに特異体質の人が特定の原料に対してアレルギー反応をおこすことがあります。表示指定成分とは、それを未然に防ぐ目的と過去にアレルギーの経験をした人が品選びする際に、その成分を避ける目的で、臨床報告や文献等で判明しているアレルゲンや、その疑いを持たれた成分を厚生労働大臣が告示で指定し、表示を義務付けた成分のことです。従って、表示指定成分が入っているからといって決して安全性に問題があるというものではありません。
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Q6
毎日の生活が時間に追われて大変忙しいというお客様がいます。そういったお客様から、パーマとヘアカラーを同時にしてほしいとたのまれます。同時に施術してもよいのでしようか。
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A6
医薬部外品であるパーマ剤と染毛剤は、1週間の間隔をあけて使用するよう、使用上の注意事項に明記されています。どちらも薬剤による化学変化を利用しているので、毛髪だけでなく頭皮もデリケートな状態になっており、パーマ剤と染毛剤を続けて施術すると、毛髪や頭皮に大きな負担がかかってしまいます。 化粧品に分類されるヘアセット料や染毛料(ヘアマニキュア)であれば問題なく使用できるかといえばそうではありません。パーマ施術後の染毛料(ヘアマニキュア)、ヘアセット料施術後の染毛剤、いずれの場合も十分注意して施術にあたってください。
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Q7
化粧品のパーマ剤があると聞きました。普通のパーマ剤とどう違うのですか。
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A7Q7
化粧品のパーマ剤とは、ヘアセット料と呼ばれるもので、化粧品の規制緩和(平成14年)によりメーカーが安全性を確認した上で、使用できる成分が大幅に増えたことから登場したものです。規制緩和以前から亜硫酸塩を主体としたヘアセット料はありましたが、カール形成力が弱い等の理由からあまり使用されていませんでした。規制緩和以降はパーマ剤の有効成分であるチオグリコール酸やシステイン以外に、新たな還元成分であるシステアミンやラクトンチオール等も使用できるようになり、カール形成力が飛躍的に向上したことから、急速に普及するようになりました。 一部では、化粧品だから安全と考えるような方もいるようですが、へアセット料の作用機構は、パーマ剤とほぼ同じと考えられますので、使用方法や使用上の注意もパーマ剤に準じた慎重な取り扱いが必要です。 なお、化粧品には過酸化水素水は使用できませんので、ヘアセット料と組み合わせて使用されるパーマ剤2剤に相当するコンディショナー等には、臭素酸塩のみが使用可能です。
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Q8
パーマ施術に関して、天災等の緊急時を想定して心掛けておくことはありますか。
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A8
断水のような緊急時を想定して、十分量の水をペットボトル等に常備しておくことをお勧め致します。いざという時にあわてないための話し合いや心掛けが大切です。
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Q1
週2回はプール通いというお客様。だんだん髪が赤茶けてパサパサしてきます。日頃の手入れ法について、アドバイスしたいのですが…。
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A1
プールの水は殺菌効果を高める為、塩素が含まれています。塩素はタンパク質に吸着する性質や漂白作用があるため、毛髪に残留することでキューティクルを損傷し、変色や退色を引き起こす原因ともなります。ダメージの進行を防ぐためにも、プールから出た直後のケアや毎日のケアが重要になります。プールから出た直後は水道水で良くすすぎ、シャンプーをしてからトリートメント剤などで油分を補いましょう。また、毎日のケアでは乾いた状態の毛髪をブラッシングしてからシャンプーするなど、シャンプー時のもつれや軋みを減らすようにしましょう。濡れている状態でのブラッシングは摩擦が大きくなりダメージを受けやすくなります。また目的に合ったトリートメント剤を使用することもダメージケアには効果的です。
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Q2
髪には毛髄質(メデュラ)のある毛髪とない毛髪があると聞きました。毛髄質の役割を教えてください。
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A2
毛髪の中心部にある毛髄質(メデュラ)は、空洞を多く持った多孔質蛋白質です。毛髄質が毛髪に占める割合は数%ですが、すべての毛髪に存在するものではなく、不連続的に存在する、あるいはまったく存在しない毛髪もあります。太い毛髪ほど毛髄質は存在しやすく、細い毛髪ほど毛髪中に占める割合が少ない傾向にあり、毛髄質が全く存在しない毛髪もあります。毛髄質は現在のところ、毛髪の物理的・化学的特性には大きく関わっていないと考えられています。ただ、寒冷地の動物の毛は、毛髄質が約50%を占めており、毛髄質の空洞が保温の役割を持っていることが分っています。 また、毛髄質の空洞は毛髪のツヤに影響を与えると言われています。
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Q3
同じ身体に生えている毛なのに、眉毛やまつげ、腋毛なとはカットしなくても一定の長さですね。髪の毛だけが伸び続けるのはなぜですか。
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A3
生えている部分によって、ヘアサイクル(毛周期)は異なり、おおよそ次表のようになっていると言われています。
1日に伸びる長さ ヘアサイクル 頭髪 0.40㎜ 約5年 腋毛 0.23㎜ 約1年半 眉毛 0.18㎜ 約5か月 まつ毛 0.18㎜ 約4か月
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Q4
人によって毛髪の伸びる速度が違ったり、年齢によって細くなったり薄くなったりするのはなぜですか。
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A4
毛髪は、毛乳頭の毛母細胞が分裂増殖した毛髪ケラチンでできており、1日に約0.4mm伸びます。そして、約10万本の毛髪が毎日伸び続けます。これを1本に換算すると、40mの毛髪を毛母細胞は分裂増殖を繰り返し作り出していることになります。毛髪は、人体の臓器の中で最も細胞分裂が激しく行われている器官と言われています。他の器官もそうですが、毛髪も年齢と共に活動が鈍り(人体の細胞が最も活動する年齢は18歳と言われています)、毛髪の成長速度が遅くなったり、細くなったり、ヘアサイクルが変化して毛髪が薄くなったりします。また、病気や栄養状態などにより毛髪の原料(アミノ酸等)が不足し細くなったり、伸びが遅くなったりします。ストレス等の精神の異状による場合もあります。このような様々な要因で毛髪は細くなったりしますが、健康で美しい毛髪を維持するためには規則正しい生活とバランスの取れた食事を採ることが大切です。
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Q5
欧米人と日本人、髪の細い人と太い人など、髪質によってパーマのかかりはどう変わりますか。
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A5
欧米人(ブロンド)と日本人(黒髪)を比較すると、欧米人の方が細い傾向にあります。しかし、日本人よりキューティクルが緻密ですので、パーマ剤などの薬剤が浸透しにくいためにかかりにくく、かつ、持ちがあまり良くないようです。この様にキューティクルの状態とパーマのかかりは密接な関係にあります。太い毛髪や同じ太さの毛髪同士でも、コシのある毛髪と無い毛髪がありますが、これはキューティクルの状態が違うことから起こる現象であり、コシのある毛髪ほどキューティクルが厚く密ですので、同じ要因でパーマはかかりにくくなります。また軟毛の方は、元来毛髪内のシスチン量が少ない傾向にあるため、施術直後は良くかかっていても、ウェーブを保持する部分が少ない事から持ちが悪い傾向にあります。黒髪と白髪は、メラニン色素の有無による色の差ですから、パーマのかかりには関係ありません。
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Q6
毛髪は「死んだ細胞」と聞きましたがホントですか。
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A6
生物学的に見れば「死んだ細胞」です。毛髪は、毛根の下の膨らんだ部分の毛球の中央部の毛乳頭で毛母細胞が分裂増殖して形成されます。形成された毛髪の毛は角化して毛髪ケラチンとなり、上方に押し出され皮膚表面に出て毛幹と呼ばれます。これがいわゆる、毛髪です。私達が目にする毛髪は、この毛幹部ですので、ある期間伸び続けているだけで自己再生能力のない細胞からできています。そういったところから毛髪は「死んだ細胞」と言われます。毛髪は健康状態によって太さ、色、強度、伸びる速度などが変わります。また体調などの変化により皮脂の分泌が増減し、毛髪のツヤ、潤い等に影響を及ぼします。このように毛髪は「死んだ細胞」からできていますが、健康で手入れの行き届いている毛髪は、生き生きと艶やかな状態を維持することができます。
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Q7
剃ると濃くなると信じていて、もみあげや衿足の処理をいやがる方がいます。剃っても濃くならないことを、うまく説明したいのですが。
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A7
毛は毛球部で作られています。毛球部での栄養状態や、ヘアサイクルの時期によって毛の発生状態が変わることはあっても、表皮に出ている部分をハサミやカミソリで切って刺激を与えたからといって、毛の発生状態に影響を与えることはありません。表皮に出ている部分を剃った場合は、毛の切断面がはっきり見え、また新生毛が黒々としているため、いかにも太くなったかのように錯覚しやすいのです。
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Q8
子供の頃は褐色だったのに大人になったら黒くなった、逆に子供の頃は黒かったのに茶色になった、という人がいます。なぜでしょうか。
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A8
毛髪の色には個人差がありますが、一般的に細いと茶色く、太いと黒く見えます。ヒトの毛髪は、幼児期は細く、成長と共に太くなってきます。小さい頃、毛髪が細いために茶色っぽく見えたのではないでしょうか。また、生活習慣によっても毛髪の色は左右されます。 強い紫外線を浴び続けたり、プールの塩素の影響で、黒かった毛髪が、茶色っぽく見えるようになってしまうなど、生活習慣によって毛髪の色が変化する場合があります。この場合は、ダメージによる色変化なので、毛髪に対して十分なケアを行う必要があります。
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Q9
ウェーブを強くかけたい場合は、テンションを強くかけるとよいのでしょうか。
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A9
ウェーブを強くかける場合は、ウェーブ効率の高いパーマ剤を用いる場合と、髪質に合わせた薬液を用いて、細めのロッドでワインディングを行う場合があります。ウェーブ効率の高いパーマ剤を用いる場合、髪質を十分把握し、必要があればプレトリートメント等をして、毛髪の損傷予防に注意することが大切です。ウェーブの強弱は、用いるパーマ剤やロッド径の大小による影響が大きく、またワインディングする時のテンションが強過ぎると、薬剤が浸透しにくくなって、かかりムラになりますので、適度なテンションで均一にワインディングすることで、ムラがかりを防ぐことができます。ただし、特に膨潤度の低いパーマ剤は、細めのロッドでテンションを強めに行う必要のあるものもありますので、予めパーマ剤の特徴を把握しておくことが必要です。
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Q10
「水巻き法」と「付け巻き法」は、何を基準に使い分けたらよいでしょうか。
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A10
「水巻き法」と「付け巻き法」は、髪質によって使い分けられています。「水巻き法」は、毛髪を水で濡らしてロッドにワインディング後、パーマ剤1剤を塗布する方法です。パーマ剤1剤の反応時間を同一化し、髪質に合わせて反応時間をコントロールしやすいのが特徴です。ワインディングにかかる時間によるウェーブの差が出にくいのも、この方法の良い点であるといえます。この方法は、通常パーマのかかりやすい毛髪や傷んだ毛髪等に用いられます。また、美容師の手指に直接薬剤が触れませんので、手荒れしやすい方にも推奨される技法と考えられます。 「付け巻き法」は、あらかじめ毛髪全体または、ブロックごとに1剤を1人分の3分の1程度の量を塗布してからワインディングし、その後、残りを塗布する方法です。「水巻き法」と比べ1剤と毛髪の接触時間が長いため、かかりにくい毛髪や硬毛等に適しています。ヘアカラーの普及による毛髪の損傷に対応するため、毛先のみ油性トリートメントやPPTでプレ処理する方法などで、根元から毛先まで均一なウェーブを出す技法も行われています。